2004-01-01から1年間の記事一覧

ハイタウン北方へ

岐阜市内に4人の女性建築家が設計した4棟の集合住宅がある。 エリザベス・ディラー棟は各住戸が断面的にすれているせいで、 ピロティの天井高さが低いところから高いところへ徐々に変わっていく。 低いところでは、子供たちが壁の影でかくれんぼを、 真ん中…

飛騨高山へ

クライアントの方に飛騨に招待していただき、高山の町家建築である吉島家を訪れた。 「どーじ」と呼ばれる通り庭と「おえ」という畳敷きの部屋が一体で吹き抜けとなっており、 南側の高窓から差しこむ光に幾重にも重なる小屋組が浮かび上がる。 それほど広く…

ジオサイトへ

虎ノ門交差点の地下30mの立坑の底から桜田門へ向けて共同溝のトンネルが伸びている。 6枚のPCセグメントを円形に合わせ、キーストーンのような7枚目を嵌めればトンネルが1.2mだけ延びる。 毎日それを8回繰り返す。 僕らが目にすることのない、目に見える仕事…

IWGPへ

帰り道に石田衣良さんの小説の舞台になった池袋西口公園を通る。 殺風景で照明が少し暗いのは芦原義信さんの美学だろうか。 早朝にバスに乗せるMTBを袋詰めにしていたら白ラメ靴のヤクザに親しげに話しかけられたことがある。 土曜の夜はマチエールというバ…

CODAN東雲へ

最終募集に合わせてCODAN東雲を訪ねた。 集合住宅のセンスはシフトチェンジの感覚に近いかもしれない。 完結した住戸にいながらにして、もっと大きな全体の一部であり、 ローからトップへ、ソファから都市へ、 スピード感が変わるようにスケール感を変速しな…

「崩れ」を読む

幸田文さんの「崩れ」を読んだのは、中越地震に触れた新聞のコラムで取り上げられていたからである。 この本は連載をまとめたものだが、前半と後半では文章の趣きがかなり違う。 はじめは、地滑りという掴みどころのないものに戸惑い、被災者への接し方に迷…

東京さぬき倶楽部へ

本場の讃岐うどんを食べたければ、麻布十番の東京さぬき倶楽部へ。 昭和の気分に触れたければ、大江宏さん設計の東京さぬき倶楽部へ。 コシのある麺が味わえる。 熟したワッフルスラブが味わえる。

野中保育園へ

仙田満さん設計の野中保育園を訪ねた。 園舎のあちこちには子供サイズと言ってもよい小さな出入口や低い天井があり、建物丸ごとが遊具とも言われている。 この遊具という言い方には、実際に見るまでは引っ掛かりがあった。 けれど、子供たちが過ごしている様…

オランダの光

「オランダの光」というドキュメンタリーを観た。 フェルメールなどの絵画で有名なオランダ独特の光が、 エイセル湖の干拓で失われてしまったというヨーゼフ・ボイスの発言を検証する映画である。 アーティストや気象学者などへのインタビュー、堤防上での1…

鈴木成文さん宅へ

team2DKなどという名前の設計事務所をやっている縁で、鈴木成文さんのご自宅に招いていただいた。 フランス文学者だった鈴木先生のお父上は本を何よりの財産と考え、 船で取り寄せた蔵書をおさめるために、戦前には珍しいRC造の書斎を建てられた。 終戦から…

どれから見ようか

「ハウルの動く城」もいいけど、 「雲のむこう、約束の場所」も良さそうだ。 「スチームボーイ」と「イノセンス」も見ていないのに。 自転車レースファンとしては「ベルヴィル・ランデブー」も見なくては。 どれから見たらいいんだろう。

C.J.リムさんのワークショップ

千葉工業大学で開催されている建築家のC.J.リムさんらによるワークショップを覗いてきた。 例えば「トング」と「シャコ万力」と「バイクのギアのパーツ」のように、 任意に選ばれた身近にある装置3つから建築をイメージしていくというもの。 さらには、リム…

東京の住まいかた

1戸建ての家が買えるくらいのお金をかけたマンションと、 マンションより小さいくらいの1戸建ての家を、同じ日に訪ねる機会に恵まれた。 六本木ヒルズレジデンス内のリフォームされた住戸と、スミレアオイハウス(9坪の家)。 正反対の選択をされた2つの…

ボジョレーヌーヴォー

ボジョレーヌーヴォーを頂いたので、夕方から少し飲みながら仕事。 1杯しか飲んでいないので、酔っているわけではないけれど、 なんとなく軽やかな気分で深夜まで。 フェードアウトしたような1日。

椅子を探す

仕事用の椅子を探している。 事務所にはアーロンチェアがひとつあるが、僕はこれが好きじゃない。 ふわふわしていて落ち着けないのだ。 欲しいのは、回転はしても移動はしない、座面も背もたれも大きくて動かない椅子。 ときに肘掛けに腰をかけられればもっ…

中目黒解体計画

友人からメールが来て、家の解体現場を見てきた。 古家を自らの手で住居とバーに改装するとのこと。 槌とバールを振るって壁をはがしていくのは、とてもクリエイティブな作業に見えた。 バーがいつオープンするのかは知らない。 たぶんオーナーに聞いても知…

斜めの家

いま「藤森照信の原・現代住宅再見2」の106ページを見て驚いている。 渡邊洋治の「斜めの家」。僕が以前に考えた「スキップハウス・ミニ」にそっくりじゃないか。 しかも本文を読んで、さらに驚き。敷地も同じ上越市だという。 向こうは廊下が斜路、こちら…

朝の建築

藤森照信さんの高過庵は、朝に見るのがいい。 諏訪湖から上がってくる霞みが朝日に晴れる頃、 高床からぽつんぽつんと水滴が落ちる。 土壁の東側は光を受けて赤みが増している。 立ち上がることがそもそも、朝なのだ。

ボウリング・イン・エビス

恵比寿とボウリングで検索すれば、 マイケル・ムーアが出てくるだろうけど、 今日は118、144、115で、ストライクが6回。 なぜか1回もスプリットにならなかった。

小泉雅生さんの自邸

C+Aの小泉雅生さんの自邸(設計:C+A、メジロスタジオ)のオープンハウスに伺った。 もともとあった地形の高低差にはめこまれたような住宅。 天井の緩やかなうねり、連続したワンルーム、 そうした空間を支えるのは構造のロジックよりも床暖房のシステムだ。…

台風コレクション

台風委員会というのがあって、台風ひとつひとつに名前をつけている。 けれど、いまや、気象衛星のせいで、どこから来てどこへ行くのか見えてしまう。 もはや、名前をつけてやるまでもない、コレクションにでもしてやる。 Ma-on(マーゴン、香港の山の名前に…

こどものせかい

建築やアートといったジャンルは別のものと考えがちだが、子供にはそんな区別はない。 大人になってしまってから、それをもう一度同じ切り口で捉えられるだろうか。 植田実さんの「真夜中の家」の、佐藤さとると最小限住居を結びつける文章などが導いてくれ…

休日のパレスサイドビル

休日のパレスサイドビル。 エレベータホールには誰もいない。 円形のなかにぽつんとボタンが2つ。 上を押せば月曜日の屋上テラスへ、 下を押せば金曜日の印刷工場へ。

パリ・アンダーワールド

To Be Is To Do 存在は行動なり(ソクラテス) To Do Is To Be 行動は存在なり(サルトル) Do Be Do Be Do ドゥビ・ドゥビ・ドゥ(シナトラ) パリの地下にはローマ時代の地下トンネルが網の目のように伸びているが、 この夏、パリ市警がトロカデロ広場の近…

ロボットとマンモスと月の石

人型のロボットと冷凍のマンモスと月の石が展示されるらしいよ。 月のロボットと人型のマンモスと冷凍の石が展示されるらしいよ。 冷凍のロボットと月のマンモスと人型の石が展示されるらしいよ。 太陽の塔だって眼がキラリ、愛知万博。

植田実さん

「ここまで思い切ったのは見たことない」と、植田実さんが言ってくれた。 僕らが設計した集合住宅のキッチンは、窓に面してつくられている。 ふつうは掃き出しのサッシュがあってバルコニーがある場所に、 逆梁を利用してタイル貼りのキッチンを造りつけたの…

モンスーンカフェにて

夏休みはまだとっていない。 行かなくちゃ。 彼女が教科書を広げてるとき、 僕は中国茶を透かした向こう、 地球の反対側あたりのことを考えている。 ベイエリアから、リバプールあたりまで。

オープンハウス

ここに書くことではないかもしれないけれど。 いま、建築設計のスタッフを募集しています。 僕たちは3人で共同設計組織を運営しており、主に集合住宅を手がけています。 右の写真はもう少しで竣工する集合住宅のペントハウスです。 1つのプロジェクトの設…

別荘を建てたい

やにわに別荘が欲しくなった。 家は樹よりも高く、雪山が遠くに見えれば、 庭は花木を植えて、小川があれば理想的。 すぐには手に入りそうもないけれど。

期待はずれ

吉田修一の”ランドマーク”を読んだ。 正直に言えば、期待はずれ。 ランドマークの必然性も、2人の男が登場する構成の意味も、よく分からなかった。 ただひたすらにスケールの大きいモノが意味もなく出現すること、を書きたかったのか。 郊外というだだっ広…