2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

鉄を建てる

現場で鉄骨の建方が始まった。 鉄骨造の建築は、工場でミリ単位で製作した部材を現場で組み立てていく。 60トン吊りのクレーンで高々と吊るされた部材は、 最終的には人の手に誘導されて所定の位置におさめられる。 人の力を超える重量のあるものを職人さ…

富士を恐れる

リニアモーターカー 自衛隊の演習場 老舗の遊園地 オウム真理教のサティアン特に東京人にとって、 富士山を巡るランドスケープは超健康的とでも言うべき抜け切った怖さがあり、 晴れた日にだけ見えるというプレッシャーがある。

マンガ空間

音がなく、光がなく、動きがない。 24時間同じ明るさで営業しているから、時間が感じられない。 エレベータの扉ではじまり本棚で埋め尽くすから、空間を演出する必要もない。 コールハースが「むしろ脳の領域」と言ったダウンタウン・アスレチック・クラブ…

ルーブル美術館の秘密

「パリ・ルーブル美術館の秘密」という映画を観てきた。 美術館の舞台裏で働く学芸員や修復家、掃除係、警備員まで 1200人にも及ぶスタッフの日々の仕事を撮ったドキュメンタリーだ。 結論から言えば、つまらないことはなかった。けれど、タイトル以上のもの…

マルコ・パンターニの死

ツール・ド・フランスが最も熱かったのは1997年。 インデュラインの時代からアームストロングの時代へ移行する過渡期に、 フランスの山岳王や、スイスの老雄や、東ドイツのモンスターが入り乱れるなか、 つづら折りのアルプスの何番目かのカーブを曲がる瞬間…

チョコを詰める

チョコレートのM&Mとベアリング球を同じ大きさの箱に入れて、がさごそ振ってみる。 すると楕円形のチョコは箱の体積の68%まで、球形のベアリングは64%まで入る。 中学生の自由研究みたいだけど、れっきとしたプリンストン大学の実験結果だそうだ。 バレ…

クリティカル・マス

クリティカル・マスというのは1992年にサンフランシスコで始まった自転車によるデモである。 「道路を取り戻せ」という主張を掲げ、一時的に道を占拠するように集団で走る。 僕の行きつけのサイクルショップでも1999年頃にはチラシが置いてあった。 毛利嘉孝…

鉛筆のいいこと

鉛筆のいいこと。 持っているのを忘れてしまうほどの軽さ。 削るときの、じょりじょりした木の感触。 1ダースで買うときの、少し贅沢な感じ。 Fなんて使ってみるちょっとした気取り。 ありそうでなかった黒赤鉛筆、買ってみようか。

火星のアダムとイヴ

遠い昔、最初の2機が送りこまれたとき、お互いの姿を認めることはできなかった。 「アダム= スピリット」は灼熱のオリンポス山のふもとを回り、極地の氷冠を乗り越えて、 1年後にようやく「イヴ= オポチュニティー」と出会うことができた。 火星の環境に…

鎌倉の切り通しにて

JR横須賀線の電車が鎌倉から逗子へ走り抜ける間に、トンネルの上では合戦の勝敗が決しようとしていた。 細く険しく折れ曲がりながら続く名越の切り通しを、鎌倉へ向けて武者たちがなだれこんでいく。 僕は鎌倉側から汗をかきながら登っていた。 すれ違うとこ…

無印国家

スキマをさりげなく埋める。足りない小物を間に合わせる。 無印良品のコンセプトはそのあたりにありそうだ。 「間取り計画」も今ある家具を配置してから、スキマに無印の商品を置くようになっている。 無印良品の家はあるが、果ては無印良品の都市、無印良品…

隠れるなら穴だ(サダム・フセインの穴はコンクリートで塞がれる) 覗くのも穴だ(マルコヴィッチの穴は7と1/2階にある) 掘り出すなら穴だ(関根伸夫は穴の中身を積み上げた) 出て行くなら穴だ(ルーク・スカイウォーカーはベルベル人の穴の家から宇宙へ飛…

かっこいいこと

ギャラリー間で第一工房の高橋さんの展覧会を観た。 「思いきったものをやっていいですよ」(内村さんの書斎) 「高橋さんがここまで言われるんだからやっていただこうよ」(マガジンハウス本社ビル) 「規模も構想もすべておまかせします」(大坂芸術大学塚…