2003-01-01から1年間の記事一覧
大晦日のテレビは歌と格闘技とトーク番組らしい。 ステージでもリングでもテーブルでも、とりあえず何かを囲んで珍しいものを見よう。 テレビが情報端末というより、昔ながらのお茶の間感覚を取り戻す日かもしれない。 別の言い方をすれば、映像端末というよ…
池袋は書店が多い街なのだが、そのなかでも老舗と言える芳林堂書店が年内で閉店することになった。 ここはワンフロアの面積が小さいために各階ごとにジャンル分けされた並べ方がされている。 目的の本を探すだけならアマゾンやbk1といったオンライン書店の方…
子供のころ飛行船の影のなかに入ったことがある。 野球をしている原っぱの上を銀色のグッドイヤー飛行船が横切ったのだ。 音もなく移動していく姿は太陽を隠す月のようだった。 ヒンデンブルグ号の事故は1937年だが、百年後までに飛行船による大陸間旅行は復…
外形プランが不整形で、包み込むような屋根をもつ建築を体験した。 内部はほぼワンルームで、あちらこちらに佇む人どうし声は届くが気にならない大きさである。 雑木林や山なみという抜けつつ閉ざすような外部に囲まれていること、 中央の吹き抜けを囲む手摺…
牢獄=ミニマリズム 労働=クリエイション 人生=デザイン 口を開けずに笑え。
千葉県で中学校を移築するにあたり基本設計の入札をしたら、落札額が1円だったそうだ。 損して得とれというカラクリがあるのだろう。 設計は建築の規模や種類に応じて金額が決まるもので、内容の優劣はあれ、安い高いというものではないはず。 設計入札なん…
急行「北極号」は読んだことがないので列車がどこへ行くのか知らないが、北へ向かう鉄道に乗ることはできる。 稚内から先は船で樺太に渡るしかない。 樺太鉄道がいまもあるのか知らないが、宮沢賢治は乗ることができた。 そこから先は銀河鉄道に乗り替えるし…
ニューヨークはいまや全米で最も安全な都市になったらしい。 ジュリアーニ前市長の治安改善の原理はBroken Window理論と呼ばれる。 割れた窓を放置しておくと、やがて他の窓も割られ、ついには建物の不法占拠などに発展してしまうというもの。 キーは住民や…
スペインではサッカースタジアムを圧力鍋に喩えるという。 沸騰ではなく、もはや圧力。 選手たちがジャガイモのように溶けていくのを、 自らも溶けかかった観衆が見つめるのだろう。
高速道路の無料化は、都市へのロードプライシングの導入とともにあるべきである。 いまから40年以上前に西山卯三は「イエポリス」を提唱した。 近郊で車を降り(靴を脱いで)、街中は自動車以外の公共交通システムによってまかなうという都市モデルである。 …
ITファミリーはキッチンでタッチパネル操作。 ブロードバンドでレシピもニュースも揃うのさ。 24時間眠らないあいつが情報基地だったとは。 フリーズしなければいいけどね。
ホットスポットが急増して、街中での無線LAN環境が充実してきた。 建築家のナンシー・フィンレイさんは壁の中の電気コードの気配が気になるので、 眠るときはスイッチではなくブレーカーを落とすという話を聞いたことがある。 微弱な電磁波、蛍光灯の音、消…
地上に本屋とカフェ、脇にベンチコーナー、屋根の上にはバスケットコート。 NLアーキテクツの新作、ユトレヒト大学のbasketbarはキャンパスライフに必要なものを凝縮したような建築である。 バスケットコートの床の中央には丸窓があって、プレイする選手を…
地球上で最も弧絶した街はどこか。 その答えは南大西洋のトリスタン・デクーニャ諸島らしく、周囲に半径2,000kmの円を描いても陸地がない。 アフリカと南米が引き裂かれたときマグマを噴いていた火山の頂きが海面に突き出しているのである。 島民には、かつ…
世田谷のボロ市は年末と年初に開かれる。 400年前の楽市から続くもので、いわばフリマのはしりである。 Tシャツが売られていてもおかしくない。 まぁ、今日は少し暖かそうだからいいけど。
沼津市にウォルマートがスーパーセンター第1号店をオープンさせるそうだ。 平屋建てワンフロアで、売場面積は8,000平方メートル。 安中市が環境アートフォーラムというのをつくるそうだ。 平屋建てワンフロアで、床面積は7,000平方メートル。 似て非なるも…
昨日オークションにかけられたファンズワース邸はニセモノだという噂がある。 ホンモノはタヒチのラグーンで3年、ヒマラヤ山麓の雪中で5年、 ブエノスアイレスのビルの屋上で8年を過ごしたのち、いまは故郷のイリノイ州に戻されている。 すでに改造が進み…
ミイラ化した遺体が大坂キタの百貨店前の植え込みで見つかった。 死後およそ2ヶ月、発見したのは客待ちのタクシー運転手。 死ぬのにもってこいの日は選べても、場所を選ぶのは難しい。 あるいは、どこでも死ぬことができる。
長崎の中学生たちが総合学習の時間に石のアーチ橋をつくったという。 日本は木の国だけに、石は素材として脇役に甘んじてきた。 だからこそ、栃木の大谷石、兵庫の生駒石、金沢の戸室石など、 地方ごとに地場の石をつかった特色ある風景が残されている。 ひ…
OMAのウェブサイトを見てみよう。80年代の住宅やビッグネスを標榜していた頃は、建築がひとつの疑似都市だった。 ベルリンのオランダ大使館やロサンジェルスの美術館には今でもその流れを見ることができる。 しかし、シアトルやポルトや北京ではどうか…
ヨルダン川西岸に壁がつくられている。 テロが先か、壁が先かという議論には出口がない。 見えることすら拒むコンクリートの壁のなかにこもって、 向こう側がないものと考えてしまえば、出口の必要すらない。
群馬県の戸倉ダムの建設が中止になりそうだという。 一言で言ってしまえば、水は足りているのだ。 しかし世界的に見れば、水は不足している。 将来、水を輸出するために再びダムがつくられるかもしれない。
代官山インスタレーション2003を見た。 「アミダ・コミュニケーション」という作品は、 長い壁面にアクリル板でアミダくじがつくられていて、 それを辿っていくと誰かが残したメッセージを手にするというもの。 読んだ人が新たなメッセージを加えることで、…
いくつかの点が配置された平面を、 どの点に最も近いかによって分割するとボロノイ図が描ける。 ピクニックに出かけて原っぱで思い思いにシートを広げるときも、 空から見れば、ボロノイ図のように点在していると考えられる。 このとき地形や方位、人数、時…
霧をつかむ話。 早朝アンデス山脈に湧く霧を、 ポリプロピレンのネットで結露させて真水を得る。 動力もいらず、コストもかからず、原理は極めてシンプル。 知恵のあるところに水があり、水のあるところに生活がある。
ソファほどセクシーな家具はない。 身体にぴったりと寄り添って、心を解きほぐしてくれる。 懐が深くて、リラックスできればいいかな。 いえ、そういうことではなく。
まちがい探し、クロスワード、迷路の順に好きだ。 子供のときは迷路が一番だった。 見えない興奮から見える快楽へ。 遊びには違いないのだけど。
燃料電池式ジャイロスコープ制御一輪マシン、エンブリオ。 エンブリオだ、エンブリオ、しかしまだ走れないらしい...。 ともかくカッコから入ってみたということ。 ちょっとカンガルーみたいだけど、カッコいいことは認めよう。
もうすぐ孔から鉄筋が姿をあらわし、地下30mまで沈められる。 コンクリートが流し込まれて、建物を支える杭ができていく。 ここは地上でもなく地下でもない。 雨が滴り落ちるのはタルコフスキーの映画のように見えなくもない。
アップルストアと言えばガラスの階段なんだそうだ。 しかし銀座店は5階建てだから困ったらしい。 そこでエレベータをガラスにしてしまった。 ユーザーが迷うようなボタンはつけないというのが、らしい。