神宮前にルイス・バラガン邸をたずねる


[091216] ルイス・バラガン展



ワタリウム美術館で、”ルイス・バラガン邸をたずねる”という展覧会をやっている。
メキシコの建築家、ルイス・バラガンの自邸のインテリアを部分的に再現したものだ。

バラガンの建築の魅力は、光と色を巧みに操りながら、静寂な空間をもたらすところにある。

今回の展示では、特にバラガンの住宅建築の重要な構成要素である、
肉厚のどっしりとしたテーブルや、光を妖しく反射するゲーリッツの金色の絵など、
家具や調度品、美術作品の実物が見られるのがうれしい。

マリオ・ボッタの設計による三角形プランの展示室で、
バラガンのインテリアが十分に堪能できるのかどうかは分からない。
それでも、平面図に斜線があまり登場しないバラガンに対して、
三角形のコーナーを利用して書斎のスケール感を感じさせるなど、会場構成には苦心の跡がうかがえる。

展示としては最もシンプルな4階の寝室がすばらしかった。
特に、外が暗くなり始めた夕暮れ時に訪れると、はっとするような闇の魅力に向き合えるはず。