2004-01-01から1年間の記事一覧

きらきらアフロ

うっとうしい月曜日。 深夜に帰れば、なにげに”きらきらアフロ”。 オセロの白い方も、あまり好きじゃなかったのに、今では可愛く見えたり。 そう言えば、パペポも見てたんだったり。

実忠の三つの不思議な花

若狭から「お水送り」の儀式によって送られる地下水が、 東大寺の若狭井から汲まれて、観音様に献上される儀式が「お水取り」である。 中東から来たアーティストが長い準備期間を経て届けるイマジネーションが、 東大寺の鏡池に浮かび上がるのが、「実忠の三…

幻影城

建築の内部になにものかが充満する。 人間は屋根裏にでも逃れるほかはない。 江戸川乱歩の土蔵が修復されて公開されるという。 幻影城は建築だろうか、幻影に惑わされず見極めてみたい。

最も古い記憶

日本の最も古い記憶は小5の夏休み。 扇風機の音。 歩道に照り返す陽光。 中野の玩具屋の店先の原色。 フランスとは違う熱帯感覚。

定員オーバー

青海省互助県にある寄宿制学校への取材で、深刻な定員オーバーであることが分かった。 人民日報の記事は、伝えたいことを明快に伝える。 深刻なニュースさえ、中国の活力であるかのように。 高度成長期の日本を知らない世代としては、羨ましい気もする。

天然泥棒

泥棒。 バルブを開けて、ガスを抜く。 天然なんだから。 自転車の似合う中国の風景。

フィールド・オブ・ベースボール

野球は野外でやるものだ。 ドームでやるのはゲームだ。 野球はゲームじゃない。 投げて打って、捕って走るだけ。

8mile

エミネムの半自伝的映画という”8mile”を観た。 タイトルは、デトロイトの豊かな白人と貧しい黒人が住む 地区を分け隔てるストリートの名前に由来するそうだ。 成功を夢見る姿(=そこから抜け出すこと)と、 異質な環境を受け入れる姿(=そこにとどまるこ…

ル・マン

今年は地上波の放送がなかったル・マン24時間レース。 チーム郷のアウディA8が優勝をさらった。 子供の頃、サルテサーキットでレーシングドライバーが運転する車に父親と2人で乗せてもらって、 カーブのたびにころころと横に転げた記憶がある。 たぶん、…

死なないということ

小さな木像が呪いをかけられて、井戸に放り込まれた。 後ろ手の異様な造形だが、胸にはしっかりと名前が彫られている。 1200年間、平安京の地の底で念を重ねてきたのだ。 死なないということの迫力。

デュアルディスプレイ

そうだ、Powerbookにはデュアルディスプレイという機能がついている。 思いついて、友人から古い三菱製15インチモニターを譲り受けた。 デスクに並べて、輝度を調整して、深夜の製図。 ” Walk to another ” SafariとCADとブラウン管と液晶ディスプレイ。

静かなもの

そうだ、PowerbookにはDVDドライブがついている。 思いついて、レンタルで借りてきた。 ベッドに寝転んで、部屋を暗くして、深夜の映画。 ”Talk to her” 闘牛とバレエと昏睡と液晶ディスプレイ。

存在しないはずの場所

存在しないはずの場所。 建築現場へ行くたび、最上階のそのまた上の屋根へ上がることにしている。 むきだしの材料とともに、手すりもなく東京の風景と向き合える。 その風景もまた存在しないはずのものだ。 けれども、こんなふうに東京を見ている人がほかに…

チリ、カリ、シャーリ。

powerbookG4を買った。 ひとつ型落ちのモデルにする代わりにワイヤレスマウスをつけた。 ノートブックを持つのは初めてなのだが、いままでのiMacとは音が違う。 カリ、シャリ、ツーート。チリ、カリ、シャーリ。 ネズミっぽいけれど、賢そうではある。

静止について

久しぶりに原美術館に行った。 いまは「飛ぶ夢を見た 野口里佳」展をやっている。 彼女の写真では、動くものが止まって見える。 ロケット、ダイバー、こぼれ落ちる水。 さまざまな動きが、止められる。 スチールということ、そのものを感じさせる。

タテノリ文学

吉田修一の「パーク・ライフ」を読んだ。 「地下鉄出口から地上に出る」オープニングから「地下のギャラリーから地上に出る」エンディングまでの間に、 女性を見つけて駆け上がる階段、階段の上から見渡す公園、上空から公園を見るための気球など断面的な視…

建築家、村野藤吾

目黒区美術館の「村野藤吾のディテール」展に合わせて、村野が設計した目黒区役所(旧千代田生命ビルからのリノベーション)を訪れた。 池を囲む全体配置はきっちりと構成的で、そのなかのあちらこちらに、浮かぶ庇や「ウサギ」窓、くねる階段など見どころが…

宇宙について知っていること

小学生の4割が太陽は地球の周りを回っていると答えたそうだ。 僕は、天の川が我々のいる銀河系そのものだとは大人になるまで知らなかった。 我々は銀河系の端っこにある地球から、賑やかな中心方向を見ているのだ。 これを知らなかったのは、天動説を信じて…

世界が終わる場所

多摩川が武蔵野台地を侵食する。 ハケと呼ばれる長さ30kmほどの崖ができる。 そこに水が湧き、流れとなり、川となる。 野川と名づけられた川を遡っていくと、そこが「世界の終わり」 扉が開くまであと4日である。 - 村上春樹の作品の舞台を知りたい人はこ…

オランダ料理学校

長崎オランダ村が料理学校に生まれ変わるらしい。 そう言えば、村上龍にその名の小説がある。 食べてばかりの小説。会話ばかりの小説。音楽が鳴り続ける小説。 オランダだから、とかいう理屈を越えてしまう発想がいいね。

原っぱとほら穴

荒川周作+マドリン・ギンズの手になる集合住宅がいよいよ着工されるらしい。 例の公園をはじめとして、彼らの作品は空間と文章の相乗効果によって体験する者の感覚を揺さぶろうとする。 空間は広い原っぱの真ん中で彷徨うように、文章は暗い洞窟のなかで手…

舞台について

舞台の裏や袖に(ときには上に)世界が続いていて、誰かがそこにいる。 身体の後ろは見えない場所で、何かがそこで起きている。 演劇を映像表現から分かつものは、空間的に考えればその2つしかない。 などということは、ドリフを見れば分かることだ。

臨時駅

水戸の近くまで行く用事があって常磐線の特急に乗ると、最初に停まったのは偕楽園臨時駅だった。 梅が咲いている時期だけオープンするのだが、ほんとうに偕楽園の真ん前にあって車内からも白やピンクの花が見える。 不思議なもので、臨時駅と聞くだけで降り…

鋼材の値段

昨年末に4.8万円/tだったH型鋼材の価格が、わずか3ヶ月後のいま7.5万円/t程度になっているという。 中国をはじめとするアジア経済の急拡大の影響をもろに受けているせいだと言われている。 日本の頭のうえに中国がのしかかっているような気分だ。 アテネ…

ナスカの宇宙絵

ナスカの地上絵は、土地の人々が天の河のなかに見た動物たちを地上に写し取ったものだという説がある。 面白いのはその星座の見立て方で、我々とは逆に星のない暗い部分を図とするらしい。 そう言われてみれば地上絵は閉じた一筆描きの図形であり、線画とい…

ニュースの質量

昨日の夕刊の一面トップは有事法制だったのだが、記事の末尾は次のように締めくくられていた。 「国民保護法案のくわしい内容はアサヒ・コムに掲載します」 見てみると、ニュース特集として法案の骨子をかなり詳しく読むことができる。 例えばヨミウリ・オン…

澤田知子さんの写真

第29回木村伊兵衛賞に澤田知子さんが選ばれた。 コスプレした自分が被写体になるということ、けっしてセルフポートレートとしてでははなく、 写真家の特殊な眼を放棄することが逆に写真を見る者の眼の意味を浮かび上がらせるということを、 あくまで写真の…

ある街

横浜のとある駅前の街。 タイル張りの新しい建物が並び、1階はカフェなどが続き、樹木もベンチもある。 ここは、ここだけの個性的な街になっていくだろうか。 何かが必要だとしたら、それは何だろうか。 15分間の散歩では分からなかった。

鉄を建てる

現場で鉄骨の建方が始まった。 鉄骨造の建築は、工場でミリ単位で製作した部材を現場で組み立てていく。 60トン吊りのクレーンで高々と吊るされた部材は、 最終的には人の手に誘導されて所定の位置におさめられる。 人の力を超える重量のあるものを職人さ…

富士を恐れる

リニアモーターカー 自衛隊の演習場 老舗の遊園地 オウム真理教のサティアン特に東京人にとって、 富士山を巡るランドスケープは超健康的とでも言うべき抜け切った怖さがあり、 晴れた日にだけ見えるというプレッシャーがある。