2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

タテノリ文学

吉田修一の「パーク・ライフ」を読んだ。 「地下鉄出口から地上に出る」オープニングから「地下のギャラリーから地上に出る」エンディングまでの間に、 女性を見つけて駆け上がる階段、階段の上から見渡す公園、上空から公園を見るための気球など断面的な視…

建築家、村野藤吾

目黒区美術館の「村野藤吾のディテール」展に合わせて、村野が設計した目黒区役所(旧千代田生命ビルからのリノベーション)を訪れた。 池を囲む全体配置はきっちりと構成的で、そのなかのあちらこちらに、浮かぶ庇や「ウサギ」窓、くねる階段など見どころが…

宇宙について知っていること

小学生の4割が太陽は地球の周りを回っていると答えたそうだ。 僕は、天の川が我々のいる銀河系そのものだとは大人になるまで知らなかった。 我々は銀河系の端っこにある地球から、賑やかな中心方向を見ているのだ。 これを知らなかったのは、天動説を信じて…

世界が終わる場所

多摩川が武蔵野台地を侵食する。 ハケと呼ばれる長さ30kmほどの崖ができる。 そこに水が湧き、流れとなり、川となる。 野川と名づけられた川を遡っていくと、そこが「世界の終わり」 扉が開くまであと4日である。 - 村上春樹の作品の舞台を知りたい人はこ…

オランダ料理学校

長崎オランダ村が料理学校に生まれ変わるらしい。 そう言えば、村上龍にその名の小説がある。 食べてばかりの小説。会話ばかりの小説。音楽が鳴り続ける小説。 オランダだから、とかいう理屈を越えてしまう発想がいいね。

原っぱとほら穴

荒川周作+マドリン・ギンズの手になる集合住宅がいよいよ着工されるらしい。 例の公園をはじめとして、彼らの作品は空間と文章の相乗効果によって体験する者の感覚を揺さぶろうとする。 空間は広い原っぱの真ん中で彷徨うように、文章は暗い洞窟のなかで手…