タテノリ文学

kasta2004-04-22

吉田修一の「パーク・ライフ」を読んだ。
「地下鉄出口から地上に出る」オープニングから「地下のギャラリーから地上に出る」エンディングまでの間に、
女性を見つけて駆け上がる階段、階段の上から見渡す公園、上空から公園を見るための気球など断面的な視点の変化が散りばめられている。
カラリと晴れた日比谷公園と生活感の漂う駒沢公園の間を地下鉄で行き来するような日常感覚。
それをうち破るささやかな身ぶりが生身の身体の断面的な動きなのだ。