越後妻有ツアー2009

3泊4日の、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009ツアー。
今年はハイエースを借り切って、集団でわいわい話しながら遠足のような雰囲気でした。




ストーム・ルーム(ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー)
見知らぬ人同士がひとところに身を寄せてしまうような状況を、雨というありふれた道具立てでつくりだす。
しかも、外と内の鮮やかな場面転換で、爽やかな後味。
個人的には、今年のベストかも。




建具ノニワ(山本想太郎)
建築系の作家は、空間よりも状況とかコミュニケーションとかを意識しすぎてしまうように感じたけれど(自省も込めて)、
これはむしろ、空間そのものをつくり出すことに集中したストイックな作品。




鉄を作る(小沢敦志)
集落で収集した鉄製品を熱して叩いてぺらぺらにする。
顔のような、魚のような、草のような。
展示場所や照明がもう少し工夫されていれば。




かき氷マウンテン(富永敏博)
富永さんは、妻有以前から「かき氷の山」の絵を描いていて、
実際にその絵を見せてもらったけれど、それが実現してしまったのだ。
妻有ならではの、爽やかな話。




BankART妻有(みかんぐみ+BankART1929+その他50作家)
あぁ、これの上半身を抱えてヒースロー空港に降り立ったな、と。




オーストラリアハウス(アレックス・リツカーラ+ルーシー・ブリーチ+リチャード・トーマス)
空家プロジェクトのなかでもロケーションが素晴らしい。
地元の集落の方が受付をしていらして、フラムさんの考えていることはよく分からないけれど友達なんだとか。
作品を通じても、集落との理想的な関係が感じられる。




内なる旅(アンティエ・グメルス)
建築家は、森に憧れるけれど、実際の森に面と向き合える能動的な方法を持たなかったりする。
それに対し、樹々のなかに、確かに異質の空間を現出させていたという意味で、強烈な印象を残す。




還るところ(力五山)
あれだけ小さな集落で、これだけの規模の作品をつくり、
宿泊できるところまで持って行ったのだから、凄いことかも。
ディテールよりもパワーで勝負。






脱皮する家、コロッケハウス(鞍掛純一+日本大学芸術学部彫刻コース有志)
彫刻刀で彫る、アルミ合金を溶射するという単一の方法を徹底することで、つくりだされた2つの作品。
独特のテクスチャーが醸し出す空間が魅了するけれど、
さっぱりとしていながら、意外にシークエンスの長い空間構成も魅力。




ほかにも、

家の記憶(塩田千春)

もうひとつの特異点アントニー・ゴームリー)

鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館(田島征三

の3作品は、人気があるのも納得。

妻有田中文男文庫は、天の光、知の光-�(カン・アイラン)の作品とのコラボレーションが絶妙。
Wasted(向井山朋子)は、男性と女性とで見方が違うだろうけど、浮遊感のある空間と迷宮の体験を通して伝わるのは基本的にポジティブな感情なのでは。
世界の真上で(内海昭子)は、前回の作品にも増して、世界をがっしりと掴んでやるという力強さが魅力。かわいいドローイングに騙されてはいけないのだ。
津南のためのインスタレーション-つながり(瀧澤潔)は、ガイドブックのイメージ以上に実物の方が良かった。現場でつくりあげる迫力を感じる。



とりあえず、思いつくまま。3年後もまた行こうと思うクオリティでした。
というか、またつくりたいなという意欲が。