2005-07-17 秋野不矩美術館へ 秋野不矩美術館には大きな蜘蛛が住んでいた。 山を見下ろすテラスの漆喰で塗られた軒裏で、やわやわと脚を動かしていた。 森が動くはずがないと思っていた「蜘蛛巣城」の城主どころか、 既にここは森に飲み込まれているのだ。 部屋と部屋が45度に振れたプランは、ぶつかりながら流れる石のようだ。 インドの大河を渡る牛の群れのように、ごうごうと身体に寄せる流れを御していく。